今日紹介する1冊は、岩瀬大輔さんの『入社1年目の教科書』。
ライフネット生命の創業者の一人として有名な岩瀬大輔さんが、社会人1年目の若者に向けて書いた1冊。
すでに社会人になってから約10年たつ私が読んでも、改めて再発見する内容がたくさんある本でした。
個人的に刺さった8つの言葉
情報はファイリングすることが目的ではありません。使わなければ意味がないのです。P100
この指摘、結構耳がイタイ...。書類やブックマークで机やPCが溢れていることよくありますよね。
でも、情報は使ってなんぼ。いつでも使えるように必要な部分だけ抜き出したらさっさと書類は捨てるのが吉ですね。
ビジネスパーソンの勉強は、必ずアウトプットに結びつけるべきだと僕は思っています。「自分たちならどう行動すべきか」「自分たちの事業だったら、どう判断すべきか」。教養として漫然と読むのではなく、常に「So what!?」に落とし込むように読まなければならないのです。P117
これは読書に関する話。
アウトプットのクオリティを上げることが、社会人の勉強の目的です。
読んで終わり、読みっぱなしは単なる時間のムダになりかねないってことですね。
学んだことは、仕事仲間に話したり、仕事のアイデア・アクションに結びつける。
その意識があるかないかで社会人としての実力の差がどんどん開いていきます。
「私はまだ素人かもしれませんが、あえて素人目線で申し上げます」(中略)「ちょっと筋違いなことかもしれませんが、あえてこう言わせてください」。まず相手への敬意を払う。そのうえで意見を述べるのです。P142
社会人1年目の新人が会議などで発言するのはけっこう緊張しますし、遠慮しがちになりますよね。
けれども、会議で発言しないと言うことは何も付加価値を生み出していないということ。
もちろん、上から目線や意見のゴリ押しもよくないですが、ちゃんと上記のような前置きをしたうえで、自分の意見を述べることは社会人としての基本です。
「この人は自分よりも経験が多いから、多くのことを教わることができる」こうした気持ちを持って接していれば、相手に伝わるものなのです。(中略)他人に対して敬意を払うことは、人としての基本。ビジネススキルでもテクニックでもありません。P153
これは「目上の人を尊敬せよ」という文脈で書かれていた一文。
特に、最後の一文がかなり響きました。相手への敬意は人としての基本。
人間誰しも長所も欠点もある。欠点ではなく長所から学び、盗んでいくという気持ちになれば、誰もが学びの対象になります。
これは1年目に限らず、社会人として仕事をしていく上で大切な心構えですよね。
「人間としての基本」の上に、すべてのビジネス活動はあるのだと再認識できたのはよかった。
部下が上司を評価する「アップワード・フィードバック」に真摯に耳を傾けるマネジャーこそが優秀で、それができない者はマネージャー失格だ。外資系企業にはそういった風土があったのです。P 159
事実を伝えることは、酷なように見えて、実は相手のためになるのです。(中略)うやむなにすることなく指摘する人のほうが信頼されると僕は思います。P 161
この2つは、「部下からも上司にフィードバックせよ」という話の中からピックアップしたものです。
上司から部下にフィードバックするのは普通のことですが、上司にフィードバックできる部下は貴重だという話。
ハーバードでは、「Managing Your Boss(上司を上手にマネージせよ)」と教わるようです。
要するに、「上司に媚びるな」「上司が間違っていると思ったら、心を込めて(謙虚に)フィードバックしよう」ってことですね。
人間関係をストレスにしない方法、それが「惚れ力」です。職場でも相手の良いところを見るようにしてください。苦手な上司、嫌いな先輩に対しては、なおさら「惚れ力」を駆使すべきなのです。P193
嫌いな部分、苦手な部分は、単なる特徴と捉えればいいです。(中略)むしろ、嫌いな人、苦手な人ほど懐へ飛び込むべきだと僕は思います。P193
社会人になると、いろんな性格タイプの人と仕事をすることになるので、人間関係の悩みがどうしても出てきます。
その中には自分にとって苦手な人もどうしても出てくるわけですが、そこで大切になるのが「惚れ力」だと。
自分の周りを見ても、誰とでも付き合える人、クセのある人とでも時間をかけて仲良くなれちゃう人って、概して仕事がデキる人が多いですね。
歴史上の偉人を見ても、たいてい大事業を成し遂げる人って、人材への惚れ力強いですよね。坂本龍馬とかナポレオンとか。
自分も「惚れ力」鍛えていきます。