みなさん、こんにちは。
今日はアメリカ経済のちょっとしたニュースについて取り上げてみたいと思います。
アメリカで進んでいる新しい証券取引所の設立
ちょっと前の日経の記事(といっても2週間くらい前)に面白い記事がありました。
2/13の日経の記事なんですが、どうやらアメリカで長期保有志向の株主向けの証券取引所を設立する動きが活発化しているようなんです。
これ今年の冒頭に書いたブログとも結構連動している動きで面白いなと思います。
起業家たちが設立を進める「ロングターム証券取引所(LTSE)」
記事によると、「リーン・スタートアップ」の生みの親として有名な起業家のエリック・リース氏や、ネットスケープ創業者でシリアルアントレプレナーのマーク・アンドリーセン氏などのシリコンバレーの有力者が、ロングターム証券取引所(LTSE)の設立に動いているとのこと。
その特徴としては、「議決権を長期保有の投資家に優先的に配分する(保有期間が長いほど多くの議決権が手に入る)」ということで、現在SEC(米国証券取引委員会)に登録申請中。
これってすごいいい動きだと思う。株の短期売買が当たり前のアメリカにおいて、気鋭の起業家たちが長期志向の新しい証取を創るってクールだよね。ウォール街のやり方とは違ったシリコンバレー的な資本市場を創ろうって感じなのかな。
前出のリース氏が、
多くの経営者は株主の圧力で四半期の業績達成に追われ、悪い経営判断を招く。(中略)既存の取引所では解決できない。
と言っているように、アメリカでは四半期決算で公表される利益が市場予想を上回っているかどうかが株価を大きく左右するわけで、そうした「PL思考の呪縛」「近視眼的な経営」に囚われた経営者たちを解放する目的があるんだろうね。
今のところ、アメリカでは、SECの認可を受けた証取は、
①NYSE
②ナスダック取引所
➂シカゴオプション取引所
の3つだけで、売買シェアは全体の6割とのこと。ここにLTSEのような新機軸の株式市場ができることで、IPO(新規株式公開)の受け皿にしていこうとしている。
こういう取引所間の切磋琢磨というか競争によってイノベーションを起こしていくってすごく大切だと思う。
一方、日本では東証が(売買)シェアの9割を握って独占している状態。日本で良いベンチャーが育たない理由ってこういうところにも原因があるんじゃないかなと思った次第です。
ちなみにLTSEの公式ホームページはこちら
Our mission is to enable bold, visionary companies that are built in an ethical, sustainable way, to thrive.-Eric Ries
ぜひ日本でもLTSEに負けない長期投資家向けの証取をつくってほしいと思う。まずは、会社法の改正からかな。
新しい証券取引所をつくりやすいアメリカ
ちなみに1/9のBlooombergの記事がこちら。
ちなみにこちらの証券取引所は、メリルリンチやモルガンスタンレーなどが、「既存の証券取引所のやり方がムカつく」ということを理由に設立するものだそうです。(ざっくり)
証一強の日本とはえらい違いですね。